日本酒を搾ると、液体は流れ出て、固形分が残ります。まだたっぷりうま味を抱えた米と麹と酵母。それが酒粕です。酒造りの季節である冬に出回り、昔から台所で使われてきました。
3つのかたち
- 板粕ita-kasu · sheet kasu
- 板状に固まった酒粕。かためなので、少量のぬるま湯や酒でやわらかくしてから使う。
- バラ粕bara-kasu · loose kasu
- 板にならなかった、ばらばらの酒粕。量りやすく、溶かしやすい。
- 練り粕neri-kasu · paste kasu
- 練って寝かせ、ペースト状になった酒粕。色は濃くなり、味に深みが出る。漬け床に向く。長く熟成させたものは「踏み込み粕」と呼ばれる。
4つの使い方
粕汁
冬の温かい汁もの。だしに根菜、鮭や豚肉を入れ、最後に酒粕を溶き入れます。先に少量の熱い汁で酒粕をのばしておくと、ダマになりません。
粕漬け
魚の漬け床。鮭や銀だらが定番です。酒粕に白味噌と少しのみりんを混ぜて魚にまぶし、冷蔵庫で1〜2日。漬け床をぬぐってから、焦げやすいので弱めの火で焼きます。
甘酒
酒粕をお湯で溶かし、甘みを加えたもの。おろし生姜を少し入れることも。酒粕の甘酒にはアルコールが含まれます。麹から造る甘酒は別の飲みもので、ノンアルコールです。
和食の外へ
酒粕は、チーズや味噌のようなコクとほのかな果実感を足してくれます。クリームチーズに混ぜてディップに、ドレッシングに、バターに練り込んで焼き野菜に。
保存のしかた
酒粕はしっかり包んで冷蔵庫へ。冷凍もできます。月日とともに色が濃くなり、味も深まりますが、それは熟成で傷みではありません。カビが出たら処分しましょう。