雪冷えから飛び切り燗まで
| 呼び名 | 読み | 温度 | イメージ |
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| 雪冷え | ゆきびえ | 約5℃ | 雪のように冷たい。香りは閉じ気味 |
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| 花冷え | はなびえ | 約10℃ | 花の季節の肌寒さくらい |
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| 涼冷え | すずびえ | 約15℃ | 冷蔵庫から出して少し置いたくらい |
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| 常温 | じょうおん | 約20℃ | 室温 |
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| 日向燗 | ひなたかん | 約30℃ | 日なたの温かさ。ほんのり温かい |
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| 人肌燗 | ひとはだかん | 約35℃ | 人肌くらい |
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| ぬる燗 | ぬるかん | 約40℃ | ぬるめ。まろやかでやさしい |
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| 上燗 | じょうかん | 約45℃ | 注ぐと少し湯気が立つ |
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| 熱燗 | あつかん | 約50℃ | いわゆる熱燗 |
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| 飛び切り燗 | とびきりかん | 55℃以上 | 熱燗よりさらに熱い |
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いちばん誤解されやすい言葉「冷や」
冷蔵庫がなかった時代、「冷や」は燗をつけない=常温のことでした。昔ながらの店では今もその意味です。冷たい酒が欲しいときは「冷酒」と頼みましょう。
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生・1回・2回
| ラベル | 貯蔵の前 | 瓶詰めのとき | ひとことで |
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| (一般的な酒) | する | する | 2回。流通や保存に強い |
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| 生酒 | しない | しない | 一度も火入れしない。「生々」とも |
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| 生貯蔵酒 | しない | する | 生のまま貯蔵し、瓶詰め時に一度だけ火入れ |
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| 生詰め酒 | する | しない | 貯蔵前に火入れし、瓶詰めは生のまま |
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日本酒の一年
- 冬冬:酒造りの季節(寒造り)。しぼりたてが出る
- 春春:新酒の季節。蔵の軒先に青い杉玉
- 夏夏:タンクの中で酒が休む
- 秋秋:ひやおろしが出荷される
- 寒造りkanzukuri
- 寒い時期に造ること。寒さで雑菌が増えにくい。今は一年中造る「四季醸造」の蔵もある。
- しぼりたてshiboritate
- 搾ってすぐに出荷する新酒。冬〜春先に多く、フレッシュでいきいきした味わい。
- ひやおろしhiyaoroshi
- 夏を越して秋に出荷される酒。火入れは通常1回(生詰めのタイプ)。
- 杉玉sugidama
- 酒蔵の軒先に下げる杉の玉。青いうちは新酒ができた合図。月日とともに茶色になり、熟成の目印になる。
- 酒造年度(BY)shuzō nendo · BY
- 7月1日〜翌6月30日。裏ラベルの「R5BY」は令和5酒造年度(2023年7月〜2024年6月)に造られたという意味。
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米の2つの役目:麹米と掛米
- 麹米kōji-mai
- 麹を造るための米。麹は味を大きく左右するので、ここに良い米を使う蔵が多い。
- 掛米kake-mai
- 麹にせず、もろみに直接加える蒸米。仕込みに使う米の大部分がこれ。
裏ラベルに「麹米:山田錦/掛米:五百万石」とあれば、麹は山田錦で造り、それ以外の米は五百万石という意味です。
覚えておきたい5つの酒米
| 酒米 | 主な産地 | 特徴 |
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| 山田錦 | 兵庫 | 「酒米の王様」 |
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| 五百万石 | 新潟 | 淡麗な酒質と結びつく |
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| 雄町 | 岡山 | 最も古い系統のひとつ。ファンは「オマチスト」 |
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| 美山錦 | 長野・東北 | 寒い地域でもよく育つ |
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| 越淡麗 | 新潟 | 山田錦×五百万石。大吟醸向けに新潟県が開発 |
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新潟で有名なコシヒカリは食用米。おいしいけれど、酒米ではありません。
精米歩合の読み方
精米歩合は、削ったあとに残った米の割合です。60%なら40%を削った、40%なら60%を削ったということ。
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3色の麹
| 麹 | 主な用途 | ポイント |
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| 黄麹 | 日本酒(味噌・醤油にも) | 日本の「国菌」 |
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| 白麹 | 焼酎 | クエン酸を出す。日本酒に使い、レモンのような爽やかな酸を出す蔵も |
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| 黒麹 | 泡盛 | クエン酸が多く、暖かい沖縄でもろみを守る |
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ラベルに「白麹仕込み」とあれば、キュッとした爽やかな酸が期待できます。
麹の育ち方
- 突き破精tsuki-haze
- 麹菌が点状に、米の奥深くまで食い込む。すっきりした吟醸向き。
- 総破精sō-haze
- 米の表面全体を覆う。酵素が多く、糖やアミノ酸が増えて、ふくよかな味に。
- 種麹tane-kōji
- 麹を造るための胞子。「もやし屋」と呼ばれる専門業者が造る。
番号で呼ばれる酵母
| 酵母 | 出身 | 特徴 |
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| 協会6号 | 新政(秋田)1930年代 | 今も使われる最古の協会酵母。穏やかな香り |
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| 協会7号 | 真澄(宮坂醸造・長野)1946年 | 今も最も広く使われる酵母のひとつ |
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| 協会9号 | 熊本県 | 吟醸香で有名。「熊本酵母」とも |
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| 協会1801号 | — | リンゴのような華やかな香り(カプロン酸エチル)。品評会の大吟醸で人気 |
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- 蔵付き酵母kura-tsuki kōbo
- その蔵に棲みついている酵母。
- 花酵母hana kōbo
- 花から分離した酵母。蔵付き酵母とは別物。
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特定名称の酒
| 名称 | 醸造アルコール | 精米歩合 |
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| 純米 | なし(米・米麹・水だけ) | 規定なし |
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| 純米吟醸 | なし | 60%以下 |
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| 純米大吟醸 | なし | 50%以下 |
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| 本醸造 | 少量 | 70%以下 |
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| 吟醸 | 少量は可 | 60%以下 |
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| 大吟醸 | 少量は可 | 50%以下 |
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| 普通酒 | 特定名称に当てはまらない酒。いわゆる「テーブル酒」 | — |
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吟醸・大吟醸は、低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」も条件です。本醸造のアルコールは、香りや味を整えるために加えます。
ラベルでよく見る言葉
- 原酒genshu
- 搾った後に加水していない。アルコール度数は高め、17〜20%ほどが多い。
- 無濾過muroka
- 炭でろ過していない。色や味わいが残りやすい。
- 生nama
- 火入れしていない(第二章を参照)。
- 無濾過生原酒muroka nama genshu
- 3つ全部入り:ろ過なし・火入れなし・加水なし。味は濃いめ。保存は冷蔵で。
- にごりnigori
- 粗く搾るので米の固形分が残り、白く濁る。辛口から甘口まで幅広い。
裏ラベルの数字
- 日本酒度nihonshu-do · SMV
- 比重の値。+が大きいほど辛口、−が大きいほど甘口に感じやすい。
- 酸度sando · acidity
- 酸の量。酸が多いと、より辛口でキレよく感じやすい。
日本酒度+8・酸度1.2なら、辛口寄りに感じることが多いでしょう。ただし数字は目安。酸や温度でも甘辛の感じ方は変わります。最後は自分の舌で。
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米から瓶まで
- 精米精米
- 洗米・浸漬洗米・浸漬
- 蒸し蒸米
- 製麹製麹(麹づくり)
- 酒母酒母づくり
- 三段仕込み三段仕込み
- 発酵発酵(もろみ)
- 搾り上槽(搾り)
- 瓶詰めろ過・火入れ・貯蔵・瓶詰め
酒母の3つの造り方
- 酒母・酛shubo · moto
- 酵母を増やすための仕込み。もろみの「もと」になる元気な酵母の集まり。
- 生酛kimoto
- 伝統的な酒母。自然の乳酸菌と、櫂ですりつぶす「山卸し」で造る。手間と時間がかかり、深みのある味になりやすい。
- 山廃yamahai
- 山卸廃止酛の略。山卸しを省いた生酛で、乳酸は自然のまま。深みとうま味、いきいきした酸が出やすい。ただ蔵によってさまざま。
- 速醸sokujō
- 乳酸を直接加える。早く安定して造れる、今の主流。
4日で3回に分けて仕込む
三段仕込みでは、米・麹・水を4日かけて3回に分けて加えます。初添、休みの日の「踊り」、仲添、留添。酵母が負けないように、少しずつ。
搾りと、残るもの
- 雫酒shizuku
- 袋に吊るし、自然に落ちる滴だけを集めた酒。やさしく搾るぶん手間がかかり、品評会用に使われることも。
- 酒粕sake kasu
- 搾った後に残るもろみのかす。漬け床、粕汁、甘酒などに。
人
- 杜氏tōji
- 酒造りの責任者。新潟の「越後杜氏」は代表的な杜氏集団のひとつ。
- 蔵元kuramoto
- 酒蔵のオーナー。杜氏とは別の役割。
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